2012 年 68 巻 2 号 p. I_1103-I_1108
自然砂浜の後浜付近には海浜植生群落が認められることがあるが,その動態が表層砂の移動や地形変化に与える影響は十分に検討されていない.本研究では,淡路島・成ヶ島での現地調査ならびに擬似植生を用いた室内実験により,海浜植生群落が表層砂の移動や局所的な地形変化に及ぼす影響について検討した.現地調査では,後浜付近において,夏季に細砂が堆積し,冬季に粗粒化する傾向が見られ,この付近に生育するハマゴウ等の植生の繁茂・枯死に対応した底質の動態が見られた.一方,室内実験では擬似植生を設置した場合に飛砂量は低減され,植生の捕捉効果が確認された.また植生密度によって飛砂量に差異がみられた.