抄録
福山内港で発生しているスカムの発生機構を解明し,石炭灰造粒物による底質改善技術を現地に適用するための設計法の提案を行った.底泥の有機物含有量は20%を超え,表層泥の含水比は1000%以上である.水面表層を漂うスカム(浮遊泥)が異臭を発するなど,他の海域では見られない現象が起こっている.本研究によりスカムは底泥に比較して多くの有機物を含有しており,密度が小さいことが確認された.石炭灰造粒物撒布時のめり込み量は,含水比だけでなく泥の流動特性にも依存していることが明らかとなり,泥の液性・塑性限界試験からめり込み量を推定する手法が提案された.