抄録
近年,社会資本整備を行うにあたり,景観への配慮が求められるようになってきたが,消波ブロック個々の形状と景観について詳細に論じた研究はなかった.そこでアンケートを実施し,消波ブロックの形状特性と景観(調和感)の関係について検討を行った.アンケートの結果,丸みを帯びたブロックは調和感が高く,角張った形状のブロックは調和感が低い傾向にあることが分かった.また,調和感を評価する指標として,「交線長(ブロックの稜線と谷筋の長さの和)」,「球形度」,「ブロック角度の最大と最小の差」および「突起(脚部)の数」の4項目を採上げ,アンケート結果をもとに指標の有効性を調べた.いずれも調和感との間に強い相関が見られたが,特に球形度においてより強い相関があり,評価指標としてより有効であることが分かった.