抄録
サンドパック工法は,現地の砂を繊維素材で構成された袋材に詰める海岸保全のための工法である.土木工事に使用される繊維素材のものとして大型土のうや袋詰め玉石工など仮設材として使用されているが,コンクリートなどの従来の海岸構造物に比べて実績も少なく耐久性について未解明な部分が多い.特に海岸で使用する場合は,紫外線による劣化に加えて海塩などの影響も加わり繊維素材にとって厳しい環境下であると考えられる.そこで,本研究では,実際に海岸に繊維基布の試験体を設置し引張強度と貫入抵抗強度試験を行い,劣化現象を確認した.また,サンシャインウェザーメーターを用いた促進暴露試験と屋外暴露試験の結果より繊維基布の残存強度を推定する方法を提案した.