抄録
サンドパックで構築された海岸構造物について,16ヶ国47事例を対象に文献調査を実施したところ,14事例で変状の発生が確認された.この知見をもとに変状連鎖フローを作成したところ,機能損失につながる変状連鎖を防ぐには,サンドパックの移動,前面の洗掘,水みちの拡大,袋材の損傷の4点への対策が特に重要であることが明確となった.海中構造物についての変状形態を把握するために水理模型実験を実施したところ,サンドパックの安定性は充填率や波浪の作用方向にも大きく依存することが明らかとなり,所要重量以外の要素も考慮した安定性照査手法を開発することが必要と考えられた.