2012 年 68 巻 2 号 p. I_84-I_89
著者らはフレア護岸に関する研究開発を進め,低天端でありながら越波流量を大幅に低減することができる本護岸の水理特性を明らかにしてきた.2004年度には高潮対策事業として初めて現地施工が実施され,これまで10件近く採用されてきた.しかしながら,昨年発生した東北地方太平洋沖地震津波によって多くの護岸が被災したことを受け,フレア護岸の津波に対する水理特性を評価することが必要となった.そこで,数値解析を用いて直立護岸,傾斜護岸,フレア護岸の津波に対する水理特性を比較検証した.その結果,フレア護岸は,津波の条件によっては,護岸背後の構造物に与える衝撃力を大きく低減できる可能性のあること等を明らかにすることができた.