2012 年 68 巻 2 号 p. I_882-I_887
砂浜,または,極浅海域に在る海岸堤防や護岸の場合,強力な波力によって,本体が直接的に破壊される事例は少なく,繰り返される高波来襲によって,前面洗掘が進み,やがて堤体内の裏込め材が吸い出されて,破壊に至る事例が多数ある.それゆえ,前面洗掘量と吸出し量の予測法の確立は,海岸防災の観点から極めて重要である.本研究では,まず,前面洗掘量について,十分な予測精度を有することを,実測データとの比較から確認したCaら1)の数値モデルを用いて,簡単に予測できる算定図が提案される.つぎに,被災事例との比較などから,洗掘と吸出しの再現性を確認した水理模型実験データを用いて,裏込め材の中央粒径の影響を考慮した,吸出口における有効せん断抵抗力式が提案される.