土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.29
転炉系製鋼スラグを有効利用する人工干潟および弾塑性FEM解析に基づく施工管理方法について
熊谷 隆宏高 将真田中 裕一乗松 秀臣川島 浩治
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2013 年 69 巻 2 号 p. I_1054-I_1059

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抄録

 鉄鋼スラグの一種である転炉系製鋼スラグを中詰材に有効利用する人工干潟を造成した.スラグを中詰材に用いる干潟の断面構造として,下層に粒径30~85mmの脱炭スラグ,その上に粒径0~25mmの脱リンスラグ,そして覆砂を配置する3層構造にすることにより,粒径の小さい材料の下層への落ち込みが抑制され,安定な構造を実現できることを明らかにした.また,修正カムクレイモデルを搭載した地盤解析モデルによる圧密沈下解析を干潟の施工管理に導入した.FEM解析において,干潟の施工履歴を再現しながら,将来の沈下予測を行い,中詰部の上げ越しの高さおよび覆砂の仕上げ高さを評価した.FEM解析を施工管理に導入することにより,干潟や藻場基盤としての機能を維持する上で必要な地盤高さを将来にわたって確保することを可能にする高精度の施工を実現した.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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