2013 年 69 巻 2 号 p. I_1060-I_1065
スラリー化した浚渫土を圧入して圧密沈下した干潟地盤を隆起させる圧入工法は,既往の研究において有効な工法として提案されてきた干潟の修復方法である.表層の生物相に影響を与えず,さらには定常的に発生する港湾航路の維持浚渫と干潟造成・維持を両立出来る工法である.本研究では, 圧入工法の実用化に向けて実規模実験を実施し,補助工法としての隆起抑制板の設置や高圧噴射攪拌による圧入地盤の事前軟化の有効性を確認した.また,S波速度分布より圧入した浚渫土の内部形状を推定し,圧入土量との整合を確認した.さらに2次元FEM解析を行い本工法の再現検証を行った.本工法を用いると,浚渫土を活用した人工干潟の造成から修復までの一連の施工システムを構築できると考えられる.