土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.29
多年性平坦氷と垂直構造物のエネルギー制限型相互作用による氷荷重の算定法
加藤 一行
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2013 年 69 巻 2 号 p. I_1186-I_1191

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抄録

 氷荷重の算定法は,氷象の種類と存在の仕方(主に季節)により大きく異なる.構造物の形状のことはさておき,氷象の種類と存在の仕方で分類したものが.氷荷重シナリオである.設計的な氷荷重を設定する場合,想定する海域での全ての氷荷重シナリオに対して,氷荷重と再現期間の関係を求め,想定する再現期間で最大の氷荷重を設計上の特定荷重とする.本研究では,夏期の多年性平坦氷と垂直構造物との相互作用というシナリオにおける氷荷重の算定法を,氷象の持っていた運動エネルギーが相互作用後も氷象の運動エネルギーと氷象の破壊によって消費されるエネルギー(クラッシングエネルギー)の和として保存されるという仮定のもとで定式化した.さらに,その定式化を踏まえると,このシナリオの必要性に関する検討を行わなくてはならないとの認識に達した.検討を行った結果,遭遇確率が非常に高いと想定される海域以外ではこのシナリオを考慮する必要は無いとの示唆を得た.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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