抄録
サンドパックが地形変化に追従して変形した時および波浪を受けて揺動した時にサンドパック袋材に働く張力の特徴を明らかにするため,実物大実験および1/10スケールの縮小模型実験を実施した.完成時に計測された長手方向の相対的な歪みは理論値よりも高く,この違いは理論的な算定方法に袋材の伸縮が考慮されていないことに起因すると考えられた.サンドパックを変位させた時には,長手方向の歪みが増大することが確認されたものの,側方変位では変位の増加に比べて歪みの増加は停滞していた.縮小模型実験では波浪作用によって目に見えるサンドパックの変形は起こらなかったものの,波浪作用に対応した張力変動が計測された.これらの結果にもとづいてサンドパックに用いる袋材の張力を設定する際に望ましい安全率の考え方について考察した.