2013 年 69 巻 2 号 p. I_257-I_262
前面カーテン壁と背後重量物とで構成される単一遊水室型防波堤の特性を,主に従来のブロック被覆型ケーソン防波堤との比較により明らかにする.この際,反射波の低減効果および越波に伴う透過率に着目した.その結果,暴浪時に対応する中周期から長周期の条件下では,単一遊水室型防波堤の方がブロック被覆型ケーソン防波堤に比較して反射率が低くなるなど波浪制御効果に優れていることが判明した.ただし,単一遊水室構造の場合,遊水室が空洞であることから防波堤の耐波安定性が懸念され,遊水室内に消波ブロックを投入する工法の有効性などについても実験的に検討した.また,理論算定のみに限定されるが,単一遊水室型防波堤の各構成部材に作用する波力や全体波力の特性についても検討を行った.