2013 年 69 巻 2 号 p. I_467-I_472
東北地方太平沖地震に伴う津波による防波堤ケーソンの被災状況を調査した結果,摩擦増大用アスファルトマット(以下,アスファルトマット)を敷設した防波堤において被災の程度が小さく,津波に対して効果があることが示唆された.そこで津波に対するアスファルトマットの効果を確認する目的で水理模型実験を行った.その結果,アスファルトマットを敷設した場合,敷設しない場合に比べ,滑動時の津波高さが大きくなった.また,敷設しない場合は変位発生直後に滑動したのに対し,敷設した場合には滑動まで徐々に変位量,津波高さが増加し,津波に対して粘り強い構造であることが確認された.既設ケーソンの補強方法として,背後にアスファルトマットを敷設した補強ブロックを設置することで水平耐力を増加させることができることが分かった.