2013 年 69 巻 2 号 p. I_533-I_538
千葉県九十九里海岸沿いに位置している蓮沼海浜公園ボート池において, 過去にアオコが発生し, 景観の悪化や悪臭問題が起きた. このアオコの優占種は藍藻類Anabeana spiroidesであり, 空中窒素固定能という機能を有しているため, 水中にリンさえあれば爆発的に増殖が可能である. 本研究では, 九十九里海岸に多く散乱している地域未利用資源である貝殻を用いて貝殻の成分であるCaとリンを吸着させ, 富栄養化からの改善を目的として検討を行った. リンの抑制率において, 30~40%の抑制効果がみられた. 5~30g/m2・50~90g/m2散布系において抑制率に変化がみられなかった. COD抑制率においては, 貝殻を散布したことにより植物プランクトンの増殖が抑制されたため, 散布量が多くなるにつれ高い値を示した.