2013 年 69 巻 2 号 p. I_634-I_639
国土交通省関門航路事務所では,国際基幹航路である関門航路の維持のため航路全域にわたる深浅測量を年1回行い,浚渫を実施している.この深浅測量データは,航路全域を網羅した長期にわたるデータで極めて貴重である.本研究では,関門航路の効率的な維持管理に資するため,深浅測量データを整理・解析し,航路内の水深変化特性について検討した.その結果,南東水道地区は顕著な堆積傾向にあり,早鞆瀬戸地区では堆積と侵食が縞状に分布する海域があることなど,航路内の水深変化特性が明らかとなった.また,特に南東水道地区において,浚渫により水深変化速度(堆積速度)が増加することを示し,浚渫に伴う水深変化速度の増加率の分布を示した.