2013 年 69 巻 2 号 p. I_73-I_78
本報告では,東日本大震災が起こった際に,東北地方と関東地方の太平洋側の港湾に在泊していた船舶がどのような行動をとったかについて,詳細に調査しとりまとめている.船舶としては漁船やプレジャーボートを除く120隻について情報収集を行なっている.また,これらの船舶被害等に関する調査結果と実際に来襲した津波諸元との関係を調べ,いくつかの図表に取り纏めている.
このほか,船社に対するヒアリング調査などから,東日本大震災を踏まえた今後の震災に関する教訓事項について取り纏めた後,今後港湾において津波時の船舶の安全性を向上させるための対策についても考察を加えている.