2013 年 69 巻 2 号 p. I_760-I_765
茨城県鉾田海岸で現地観測を行い、HL周辺の季節的地形変動を調べた.この結果,鉾田海岸の底質は中砂と細砂で構成され,両者で全体の90%以上を占め,中砂はほぼ-3m以浅に集中的に堆積していることが明らかになった.また,南側に位置する23号HLの北側隣接部では,夏季は冬季に比べて中砂量が増加する一方,29号HLの南側隣接部ではこれと逆の傾向を示した.この現象は,当海岸では夏季には北向きの沿岸漂砂が卓越して主に細砂が流出し,冬季はこの逆になることから説明できた.この点はUAV観測によるHL周辺の汀線変化比較からも確認された.