2013 年 69 巻 2 号 p. I_766-I_771
島根県江の川河口から西に延びる延長約10kmの海岸は,小規模な岬に区切られた3つの砂浜海岸(東から,郷田海岸,和木波子海岸,国分久代海岸)が連続する.郷田海岸では1970年代に江の川河口付近から海岸侵食が西へと波及しており,その対策として離岸堤群が建設されてきている.離岸堤建設後において侵食域はその西に波及し,さらに真島岬を越えた和木波子海岸にまで波及してきていることが,空中写真による汀線変化解析から明らかとなった.さらにその汀線変化を汀線変化予測モデルで再現することで,西向きの卓越した沿岸漂砂量の存在とその沿岸分布形,さらに2つの岬の通過漂砂量の実態を明らかとした.