2013 年 69 巻 2 号 p. I_922-I_927
河口域に形成されるワンドは,河川流のほかに潮汐流や伏流水の影響を受け,河川本川とは異なった環境が形成されている.そこには多種多様な動植物が生息・生育し,生産性の高い豊かな生態系が構築されるとともに,洪水時には遊水機能を発揮するなど防災面からも貴重な空間となっているが,その物理的な環境については未解明の部分も多い.
本研究では兵庫県下最大の一級河川である加古川の河口右岸に形成されているワンドを対象に,微細粒子の移動特性とワンド内の物理環境の実態把握を目的とした現地調査を行い,ワンド内外の底質移動特性や植生による波浪の減衰効果等を明らかにした.