2013 年 69 巻 2 号 p. I_916-I_921
本研究では,塩分が増加する環境である河川感潮域の底泥と,もともと塩分に晒されていた海底泥が,淡水に晒されたときの沈降速度が塩分によってどのように変化するかを明らかにすることを目的として,ほぼ粒度分布が同一とみなせる感潮域底泥と海域(干潟)の底泥について沈降速度の塩分依存性を検討した.その結果,塩分による沈降速度の増加は粘土粒子の凝結によるものであり,低塩分下でもEPSに富む河川感潮域の底泥は粘土粒子とシルト粒子の凝集により沈降速度が高くなることが明らかになった.