2013 年 69 巻 2 号 p. I_946-I_951
汚染物質が付着しやすい浮泥を封じ込める目的で,固化処理土を利用した浮泥の封じ込め施工を実施した.現地調査の結果,浮泥の平均湿潤密度は1.05g/cm3で,最大層厚は10mmであった.浮泥の封じ込め施工に際しては,事前に,浮泥の封じ込め方策を見出すために,数十種類の配合の異なる処理土を作製し,現場施工を模擬した水中打設実験を実施した.その結果,第1層として,処理土A(湿潤密度1.1g/cm3,水中流動性小)を10cm厚で打設すると,処理土A層によって形成された大きな空隙の中に浮泥が取り込まれること,その後,第2層として,処理土B(湿潤密度1.3g/cm3,水中流動性大)を10cm厚で打設すると,処理土A層の上に処理土Bからなる覆土層が形成され,浮泥の封じ込めが可能であることが明らかとなった.また,現場試験施工として,上記のように処理土を2段階施工すると,浮泥の封じ込めが可能であった.