2014 年 70 巻 1 号 p. 1-12
沖ノ鳥島の漁場開発のため本提案では永久塩泉を用いた,湧昇パイプによる海洋深層水汲み上げ手法を検討している.海洋でパイプを係留する時,海流によるパイプの傾きを考慮しなければならない.本研究では沖ノ鳥島周辺海域での湧昇パイプ係留に向け,コンテナ投下法を用いた流線形湧昇パイプ展開方法を提案し,流線形湧昇パイプの展開条件の設計とコンテナ投下法を用いたパイプ展開方法の有用性評価を行った.流線形湧昇パイプの展開条件を設計するため,水槽での抗力試験で測定した流線形湧昇パイプの抗力係数を使用し海流によるパイプ挙動のモデル化を行い,流線形パイプに必要なブイの浮力の算出を行った.またコンテナ投下法の有用性評価を行うため長さ25mの流線形湧昇パイプの展開実験を行い,パイプ展開の観察とコンテナ落下運動の解析を行った.