2014 年 70 巻 2 号 p. I_1092-I_1097
キャピラリーバリア(以下,CB)の限界長に関する研究の多くは,砂層と礫層の2層構造による基本特性を把握することを主目的としている.しかし,実構造物への適用にあたっては,礫層,砂層を構築した上に,覆土を設けるのが一般的である.従って,覆土を加えた3 層構造の浸潤特性や限界長について把握しておくことが必要不可欠である.本論文では,限界長は地表面からの浸潤フラックスqで大きく変化するため,qの効果を明確にすることを目的に,覆土+CB層を実規模大で構築し,散水強度を変えて限界長などを測定した.CB層と覆土+CB層の限界長を比較した結果,覆土の効果を取り込んだ覆土+CB層の限界長を設計していくことが,実構造物に実装していくために重要であることを実験的に明らかにした.