抄録
北海道コムケ湖において現地調査(春季,夏季)を実施し,大気-海水間CO2フラックスの空間分布特性の把握を行った.また,大気-海水間CO2フラックスに影響を及ぼす環境要因(風速,水温,塩分,全アルカリ度,溶存無機炭素濃度,生物過程による炭素増減量)の相対的な影響度を把握するために,パス解析を用いた分析を行った.その結果,大気-海水間CO2フラックスは,湖央付近を中心に大気から海水中へCO2の吸収となっており,(1)風速,(2)塩分に起因する流入負荷,そして(3)湖内の生物過程(呼吸・分解,光合成)から影響を受けることがわかった.