土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.30
拘束波由来の港内長周期波を考慮した港内静穏度解析
平山 克也加島 寛章長沼 淳也宇野 喜之
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 70 巻 2 号 p. I_211-I_216

詳細
抄録

 港口を構成する防波堤(西)(東)近傍にそれぞれ浅瀬が存在する日本海側のA港では,港内に侵入する風波やうねりの波群の回折・砕波が同時に発生し,港外から来襲する自由波とともに,拘束波に由来する港内長周期波の発生が顕著になる.ブシネスクモデルにより算定したこの両者はそれぞれ港内の観測波高と比較的よく一致するため,この理由を考察するとともに,岸壁前面での波高出現頻度及び稼働率について従来の自由波に加え,港内波及びこれらの合成波に対するものをそれぞれ算定して比較した.なお,有義波高3m以上の沖波の出現頻度が1%にも満たないA港に対しても港外の自由波を適切に推定できるよう,風波に対するアーセル数をパラメータとするαlの推定式を新たに提案して用いた.これらの結果,成分波の波向分布がより適切であると期待される港内波では,自由波に比べ,より小さな稼働率が算定された.

著者関連情報
© 2014 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top