抄録
本研究では,直立防波堤港内側の補強工法として提案されているカウンターウェイトブロック(CWB)について,偶発波浪および津波を用いた断面実験を実施し,異なる配置パターンにおけるCWBの性能評価を行った.その結果,偶発波浪を用いた実験ではCWBを積上げる配置方法でケーソンの滑動量を小さくでき,津波を用いた実験ではCWBを横に並べる配置方法でケーソンの滑動量を小さくできることがわかった.いずれの実験においてもCWBの使用個数が増えるほどケーソンの滑動量を小さくすることができ,抵抗力推定に用いる摩擦係数が妥当であることを確認した.また,補強工法としてCWBおよび割石腹付けを設計した場合の所要断面積と工事費の比較を行った結果,CWBは割石腹付けに比べて補強分の施工断面積を約半分に縮減でき,工事費を36%低減できることがわかった.