土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.30
津波来襲時に取放水路天端に作用する揚圧力に関する基礎的研究
高畠 知行伊藤 一教織田 幸伸本田 隆英
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2014 年 70 巻 2 号 p. I_462-I_467

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抄録
 臨海域の発電所では,津波来襲時,取放水路に海水が流入し水路内の水位が上昇して,水路の天端(天井)部分に揚圧力が発生する.特に,天端部の形状によっては,天端と水面の間に空気層が発生し揚圧力に影響を及ぼす.本研究では,この揚圧力の作用特性を水理実験及び数値解析により検討した.水理実験の結果,天端と水面間に空気層が発生する場合,空気層が発生しない場合に比べ最大揚圧力が小さくなり,その大きさは既存式から概算できることが分かった.一方,水路天端に着水する際には大きな衝撃圧が発生し,その大きさは天端位置によりばらつきが見られた.また,天端着水時に発生する最大揚圧力をOpenFOAMにより再現することを試みた.その結果,天端近傍の解析格子を細かくすることで最大揚圧力の再現性が高まることを示した.
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© 2014 公益社団法人 土木学会
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