抄録
航路計画に当たっては,対象船舶と航行環境が特定できる場合には,船舶の諸元値や航行速度等の計画条件を物理的・定量的に説明できる第2区分照査法が用意されている.しかし,公共航路の計画において,対象船舶を,ある特定の一隻に確定することは困難である.
以上の状況を踏まえ,本研究では,第2区分照査法の公共航路への適用性の向上を目的として,同一船種・船型における,操縦性能の差異による航路幅員算定値の変動幅を算定した.その結果,75%カバー率において,操縦性能の差異による変動を明示的に確保するには,モデル船算定値に,単航路で3%,往復航路で6%の余裕分を考慮すれば十分であるとの結論を得た.