抄録
船舶の操船者は, 海上交通の保全を念頭におきながら,海上を航行する時々刻々と変化する気象・海象状況や自船の周囲環境などを迅速かつ的確に認識し操船しなければならない.通常,これらは操船経験により養われるのだが,操船経験の少ない操船者も海上に出れば船としては同等であるため,如何にこの経験不足を補うかが重要な課題である.また,操船経験が豊富な操船者であっても,不慣れな海域を航行する際は操船技術を満足に活かし切ることは困難であり,この場合も何らかの航行支援があればより安全な航行が可能となるため操船者のストレスも緩和される.こうした背景のもと,本研究では,船舶の安全航行支援のための可搬型遠隔モニタリングシステムの構築を目指す.