抄録
これまで,30年以上の研究実績がある振動水柱型空気タービン方式(Oscillating Water Column:以下OWC)に着目し,従来に比べて高効率な発電装置の開発を行っている.研究コンセプトは, 発電装置を既設の防波堤や護岸に後付けで据えることで建造費用を抑える事ができる安価なシステムである.OWC発電装置は,水面変動を往復気流に変換し,空気流で発電タービンを回転させる.発電部が水上にあるため,維持管理が容易であり,既存の防波堤,護岸などを利用して後付けでユニットを設置することで,建造費を抑えることができる.既存施設を利用するため,沖合に独立して係留する場合と異なる課題を検討した.本稿では,酒田港で実証実験を行っている消波ケーソン(有孔ケーソン)に設置した事例について紹介する.