2015 年 71 巻 2 号 p. I_1185-I_1190
濁水状態の津波・海岸保全施設本体の挙動・基礎地盤の洗掘等の地形変化・基礎地盤の支持力の4者間の相互作用を解析できる数値計算モデルの構築に向けた基礎的な研究として,本研究では浮遊砂を含むことによる粘度の変化を取り扱い,その評価式のパラメータの同定を,粘度計を用いた実験により行った.その結果,浮遊砂を含まない清水状態のときは,粘度がせん断応力によらないニュートン流体であった一方で,浮遊砂を含んだ濁水状態のときには,粘度はせん断応力の増加とともに減少し,非ニュートン流体となることを確認した.また,浮遊砂濃度が与えられれば第1ニュートン領域での低せん断ニュートン粘度が推定でき,さらにその低せん断ニュートン粘度を用いることでせん断応力が与えられれば浮遊砂を含む流体の粘度が推定できることを示した.