2015 年 71 巻 2 号 p. I_179-I_184
近年,注目の集まる海底資源の開発において深海構造物へのコンクリートの適用性を探るための基礎研究として,深海並みの高水圧が作用した場合のセメント硬化体の破壊挙動の進展や機構の把握を試みた.セメントペーストによる破壊形状の比較から水セメント比と空気量の差異が破壊の進展の度合いに影響を及ぼすことが示唆された.モルタルによる体積ひずみの時間変化の測定から,空気量の差異が体積ひずみの収縮側への増加量に影響を及ぼすことが示唆されたと共に,高水圧下で長時間静置した後,体積ひずみ変化が膨張側に転じる傾向があることが推察された.