2015 年 71 巻 2 号 p. I_275-I_280
北端・南端を鹿島港の埋立地護岸と波崎漁港の防波堤により挟まれてポケットビーチ化の進んだ波崎海岸では,波崎漁港による波の遮蔽内では南向きの沿岸漂砂が卓越しているものの,汀線付近の現象に着目すると,海岸線の中央部以北では逆に北向きの沿岸漂砂が卓越していた.北部での卓越方向は,従来推定された沿岸漂砂の方向と逆向きであった.当海岸の汀線変化は,鹿島港以北での観測結果と同様,波向が季節的に変動する場におけるネットの沿岸漂砂の存在によって説明可能と考えられる.