抄録
サンゴ礁海域では複雑な波浪・海浜流場が形成される.また海浜の構成材料はサンゴ破片などが主であり,シリカ底質の海岸とは海浜変形特性が異なる.本研究では人工海浜の侵食が深刻な宮古島トゥリバー地区において現地調査を行い,底質移動と地形変化メカニズムを解明することを目的とした.底質粒径分布や波浪・海浜流の計測結果を分析することにより,夏期には南風に伴う吹送流が発達し,防波堤の開口部から領域外に強い流れが発生し,細粒成分が沖合に流出していることなどが明らかとなった.さらに,南部ヘッドランド周辺にも細粒成分の堆積が確認され,冬季の北風に伴う吹送流の影響であると推察された.このように,サンゴ海岸では,平坦な礁池が広がる特徴により吹送流が発達しやすく,細粒径底質が容易に浮遊される特徴があることが確認された.