2015 年 71 巻 2 号 p. I_701-I_706
東日本大震災の発生から全国的に津波に対して従来の想定よりもかなり巨大な津波が来襲することが予測されている.特に南海地震の予測では以前よりも高い津波の来襲が予測されている.
現在では,津波に対する避難として,低地では津波避難タワーの設置や鉄筋造などの強固な建物への鉛直避難が行われることがある.現状では,これらを越す津波が来襲した場合には,それ以降についての方策がなく,避難所である津波避難タワーやビルに到達できたとしても,被害を受ける可能性がある.
そこで,本研究では従来の高所避難のみではなく,浮体式津波避難シェルターと併用したハイブリッドな避難手法に注目した.その結果,シェルターの挙動は大きく3種類に分けることができた.また,流速と自由落下から計算された衝撃力に津波避難シェルターは耐えうるという結論を得た.