抄録
近年の漁獲量減少に対して効率的な漁場再生を行うためには,水産有用種の生息地としての環境適地評価を行った上での漁場特性に応じた対策が重要ある.そのためには,基礎情報として海底被覆物の空間配置を広域に把握する必要がある.広域海底被覆物マッピングに最近では衛星画像が活用されているが,光透過度が低く複雑な地形を有する岩礁海藻域では,水柱影響の除去や教師設定などが課題となる.本研究は,漁場再生を念頭に,衛星画像を用いた海底被覆物マッピング手法とともに,得られた海底被覆物マップを用いて漁場特性を統計的に解析する手法を検討することにより,漁場環境の評価手法について検討した.その結果,赤色バンドやDI指標を用いた衛星画像からの海底被覆物マップや統計解析による漁場環境評価手法の有用性が示唆された.