土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.32
外力項に着目した格子ボルツマン法による津波数値計算の高精度化に関する研究
佐藤 兼太Bruno ADRIANO越村 俊一
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_145-I_150

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抄録
 浅水長波理論に基づく格子ボルツマン法は,その外力項である地形勾配の影響が正確に計算されないことが既往の研究から明らかになっている.これに対して,地形勾配の取り扱いを修正した新しい格子ボルツマン方程式が提案されているものの,依然として地形勾配が緩やかな流れ場の検証にとどまっており,実地形における津波数値解析への適用性は明らかとはなっていない.そこで本研究では,格子ボルツマン法の実地形における津波数値計算の適用性の向上に向け,格子ボルツマン方程式の外力項に着目した高精度化について検証を行った.本研究の手法を用いて2011年東北地方太平洋沖地震津波の再現計算を行ったところ,本研究の手法は,従来の格子ボルツマン方程式と比較し,有限差分法の計算結果をよく再現することが可能であることを明らかにした.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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