2016 年 72 巻 2 号 p. I_372-I_377
静的圧入締固め工法(CPG工法)は,低流動性モルタルを地盤に静的に圧入して地盤の密度を増大させる液状化対策工法のひとつである.CPG工法は,既設構造物の直下や近傍での適応が可能であることから,東京国際空港をはじめこれまでに多くの施工実績を積み重ねてきている.しかし施工にともなう地盤変位,特に隆起が問題であり,その抑制が課題となっている.本研究では,新しい圧入方法であるアップダウン施工(U/D施工)に関する各種の模型実験の実施を通じて隆起抑制効果,改良効果および液状化対策効果が向上した新たなCPG工法を開発した.本施工法によると,従来の圧入方式であるボトムアップ施工法に比べて,平均隆起量にして8割以上の低減,液状化強度にして1.5倍以上の効果が得られた.