抄録
本震で発生した過剰間隙水圧が残留する地盤が,余震を受けて液状化する状況を想定し,2種類の応力制御による非排水繰り返し中空ねじりせん断試験を行った.段階載荷試験では,試験前半に一定振幅の正弦波によって目標とする過剰間隙水圧比を発生させた.その後,段階的に振幅が増加するせん断応力波形を与え,過剰水圧が再上昇するせん断応力レベルを評価した.不規則波載荷試験では,2011年東北地方太平洋沖地震の地震動に基づいた本震,余震波形を連続して与えた.両試験の比較より,段階載荷試験より求まる水圧が再上昇するせん断応力比の閾値を用いることで,不規則波に対しても水圧上昇程度を予測できる可能性を示した.