抄録
本論文では,波による残留水圧の蓄積による液状化ならびに海底液状化流動の特性・機構に関する筆者らの近年の成果・知見を取纏めて提示すると共に,両者のメカニズムの重要性を端的に示した最新の事例分析を示している.2014年末に生じたイベントに対して,これまでに得られた知見をふまえた定量的な検討を行った結果,浚渫土の沖捨てにより形成されたシルト質地盤が高波による残留水圧の蓄積により液状化し重力流に遷移した結果,長距離流動・再堆積したことを明らかにした.又,これらの被災リスクを評価・予測するための基盤を提示した.