2016 年 72 巻 2 号 p. I_521-I_526
津波による防波堤の被災要因には3つあるといわれているが,なかでも越流・浸透流による港内側マウンドの洗掘については研究がなされてこなかった.そこで,筆者らは防波堤の越流ならびに捨石マウンド内に発生する浸透流を考慮して,港内側マウンドを形成する捨石の安定重量を算出する式を提案した.越流・浸透流による港内側マウンドの洗掘を防止するためには,浸透流を逃がしつつ,越流に耐えうる被覆ブロックを港内側に設置することが有効だと考えられるため,本研究はその最適な形状を,提案した式を用いて求めることを目的としている.本論文ではまず理論的に開口部を持つ被覆ブロックの最適な形状や配置を求め,その形状を持つ模型被覆材を用いて水理模型実験を行い,その妥当性を検証した.