2016 年 72 巻 2 号 p. I_580-I_585
グラブ浚渫を行う際のバケットの種類と操作方法に着目し,水理模型実験と実施工現場における現地計測により,バケットの巻下げ・巻上げ時の流動場の特性を明らかとし,濁りの発生と拡散を抑制する操作方法を検討した.その結果,一律の巻下げ速度でバケットを操作するより,途中で一時停止させ,その後の巻下げ速度を減速させると底面に発生する流速を抑制できることを確認した.密閉型バケットに比較して通常型バケットの場合は,バケット上面の開口部からバケット内部の水塊が抜けるため,この巻下げ時に発生する流動が小さいことも判明した.また,巻上げ操作時においても,バケットの離底時の速度を低減させると周辺に発生する流動を抑制できることを確認した.こうしたバケットの巻下げ・巻上げ速度の減速の効果は現地計測においても確認された.