抄録
清水海岸における既設L型突堤の周辺地形を詳細に測量し,その上でBGモデル(Bagnold概念に基づく3次元海浜変形予測モデル)を用いてL型突堤周辺の地形変化の再現計算を行った.この結果,計算により既設L型突堤の背後で観察された地形的特徴がうまく説明され,モデルの適用性が確認できた.次に,L型突堤の横堤長を90, 120, 150 mと変えた場合の沿岸漂砂量の低減効果を算定したところ,突堤なしの場合を基準とした沿岸漂砂量比は,それぞれQ/Q0=0.78, 0.75, 0.73となり,沿岸漂砂量の低減効果は横堤長にはあまり依存しないことが分かった.