本研究では,我が国において電動キックボードシェアリングシステムを安全に活用するに際し,まちづくりの観点からその管理・運用を検討する際の一助とすることを目的に,フィンランド共和国ヘルシンキ市を対象に,文献調査・現地調査・インタビュー調査を通じた約 1 年間の経過を把握する事例調査を行った.結果,ヘルシンキ市の電動キックボードシェアリングシステムは ES 事業者が自由にまちに参入することで始まり,各事業者が自由にサービス提供をしていたが,交通事故・違反・無秩序な駐車等の問題が露呈したため,市役所等が介入し,速度規制・夜間利用規制・駐車規制や,事業者との協定締結およびルール策定を行っていた.また,市役所や警察の担当者は,当該規制や協定等は課題解決に有効であると評価していることが分かった.