抄録
本研究は,ファンモデルとポーラスメディアを用いて潮流発電装置を簡易的に模擬し,流況について考察した.ポーラスメディアはブレードの回転影響を考慮することができないが,ファンモデルはブレード形状を詳細に定義せずにモデル化でき,さらに回転影響を考慮することができるため,周辺の流場解析に適していると考えられる.ただし,ファンモデルの場合,モデル通過後の流速が増加するためポーラスメディアによるエネルギー減衰を人工的に与えた.
本手法を用いて複数のモデルを配置し,装置間の流況について考察したところ,モデル後方20Dで流入速度の98 %まで回復することが確認できた.さらに,流入方向に対して垂直に配置した場合には,装置間を1.5Dにすると流入速度と同じになることが確認できた.