抄録
漁港では様々な漁業で漁獲された多くの種類の水産物が陸揚げ・搬入され,また,その状態(生鮮,冷凍,活魚等)も多様で,かつ,陸揚げやその後の作業工程もそれぞれ異なることから,これら作業工程と形態に対応した衛生管理と鮮度保持が求められる.
本研究では,はじめに漁港における衛生管理と鮮度保持について整理し,次いで,HACCPシステムと漁港における衛生管理基準との関係を明らかにした.
さらに,はえ縄漁業,まき網漁業,底曳網漁業,定置網漁業などの漁業種類において,作業工程・状態に応じた衛生管理と鮮度保持の基本的な考え方,そして,漁港施設(荷さばき所)の整備のあり方について検討を行った.