抄録
ヘドロ(還元有機泥)が堆積した底質の改善を目的に,石炭灰を造粒・固化した海砂代替材(石炭灰造粒物)が覆砂材として活用されている.石炭灰造粒物を覆砂した干潟では,n-ヘキサン抽出物質に代表される油脂類の低減が確認されている.しかし,石炭灰造粒物を覆砂材に活用した場合の油脂類の吸着効果や底質酸素要求量の低減効果は十分に明らかにされていない.本研究は,石炭灰造粒物を覆砂材として活用する場合の油脂類の吸着量,底質酸素要求量の低減効果およびこれらに関係する覆砂層内のアルカリ環境保持特性を実験的に明らかとすることを目的とした.実験室で現地を模擬した覆砂層を再現し石炭灰造粒物を覆砂材として活用した場合の特性について実験し油脂類の吸着効果や環境温度毎の底質酸素要求量の低減効果が確認された.