抄録
気象庁により公表されているMSM(Meso Scale Model)に基づく1時間間隔風速・風向資料と,韓国の全沿岸沖合に展開されている9基の海象気象ブイ地点で取得された4~13年間の1時間間隔風速・風向観測資料より得た各種の風速統計量(風速の上位平均値,全資料の平均値と標準偏差)や風速・風向の誤差指標(相関係数,相関直線の勾配値,2乗平均平方根誤差)を全地点で検討することによって,1)MSM風資料は全体としては観測風資料とよく符合すること,2)領域別では東岸・南岸沖合地点でMSM風速が観測風速よりやや小さく,西岸沖合地点でやや大きいこと,3)MSM風の精度は東岸・南岸沖合地点より西岸沖合地点で若干低くなる傾向にあること,4)両資料に基づく平均風速は東岸・南岸沖合地点より西岸沖合地点で1m/s程度低いこと,を示した.