抄録
沖縄県石垣島の市街地では,石垣島南方沖の想定地震による津波の早期来襲が予想されており,1771年八重山地震による巨大津波の痕跡も残されている.本稿では,まず,石垣市街地において常時微動計測を高密度に実施し,地盤震動特性を評価した.次に,地盤震動特性を考慮した想定地震による強震動シミュレーションを実施し,強震動作用中の避難困難時間を評価した.さらに,強震動評価地点から周辺の津波避難施設までの歩行実験を行い,避難所要時間を評価した.最後に,津波来襲時間から避難困難時間ならびに避難所要時間を差し引くことによって,対象地域における津波避難困難区域の評価を行った.