抄録
浚渫時に発生する大量の浚渫土を処分するための土砂処分場を新設するには,多大なコストがかかる.従って,既存及び新設の土砂処分場により多くの浚渫土を処分することが求められる.本研究の目的は,土砂処分場投入前に「投入前処理」を行い,投入時含水比を低下させることによって処分場投入可能土量を増加させることである.脱水処理工法として乾燥による脱水を採用し,その体積減容効果について評価するため,乾燥収縮試験を実施した.代表的土質定数の変化から浚渫土の乾燥特性をとらえ,攪乱操作による乾燥遅延効果と加熱による乾燥速度の著しい向上,及び天日乾燥を再現した実験による天日乾燥適用の可能性を確認した.また,広い範囲の含水比に対し浚渫土は直線的に減少することを示した.